近年急増中!? 弁護士が法律事務所から企業に転職する理由

「弁護士が転職する理由や動機はなんだろう?」と気になったことはありませんか? 他の弁護士さんの転職理由や転職事例を知ることで、ご自身の転職の参考になることもあると思います。 そこで今回は、弁護士が転職する理由や事例をご紹介します。

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法律事務所の弁護士が企業に転職する理由3つ

近年、法律事務所に所属する弁護士が「企業内弁護士(社内弁護士)」に転身するケースが増えています。 それには一体どんな背景があるのでしょうか? 企業に転職する弁護士が多い理由を3つご紹介します。

(1)法律事務所の周辺環境の変化

法律事務所から企業に転職する背景の1つとして、法律事務所周辺の環境変化が挙げられます。

変化1:リーマンショック

変化の1つは、2008年9月15日にアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻したことを機に発生した世界的金融危機、「リーマン・ショック」です。 2008年9月15日にアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズが破綻したことを機に発生した世界的金融危機、「リーマン・ショック」です。 リーマン・ショックは、銀行から融資を受けている多くの会社の経営を悪化させました。そして、それは法律事務所も無関係ではありませんでした。 法律事務所のメインクライアントの多くは企業なので、案件数が激減し経営を圧迫。人材採用を中止する法律事務所や、日本から撤退する外資系法律事務も出てきました。 これらの影響により、企業への転職を考える弁護士が増えたという背景があります。

変化2:東日本大震災

変化の2つ目は、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」です。 東日本大震災の経済への影響は大きく、日経平均終値は、ブラックマンデーリーマン・ショックに次ぐ過去3番目の下落率を記録しました。 その影響で日本経済は停滞し、多くの企業の経営状況が悪化。それにより法律事務所の経営にも更なる悪影響がありました。

変化3:弁護士の急増

変化の3つ目は、「弁護士の急増」です。 「弁護士過剰問題」とも言われており、「難関の司法試験を合格しても就職先がない」という状況が発生しています。 2012年の12月の段階で、司法修習修了者のうちの約26%が弁護士未登録となっています。 法律事務所が弁護士求人を出すと応募者が殺到するほど就職難が深刻化していることにより、企業への就職を目指すケースが増えてきています。

(2)長時間労働の問題

日本弁護士連合会の調査によると、弁護士の勤務時間は一般的なサラリーマンよりも長い傾向があるそうです。 8時〜10時に事務所や裁判所に出勤し18時〜22時くらいに退勤するケースが多いですが、毎日のように深夜まで働いている人もいます。 休日は一般企業と同じように土日休みの法律事務所が多いですが、一般の方からの相談も受け付けていたり、複数の案件を抱えている場合は、土日に働くことも多くなります。 総じて、大半の弁護士の労働時間は長めになっています。 このような理由から、ワーク・ライフ・バランスを考えて「一般企業に転職したい」と考える人もいます。

(3)事業に携わりたい

法的アドバイスをするだけでなく、「事業を創り上げたい」「ビジネスに携わりたい」という思いで事業会社への転職を志す人もいます。 エリート弁護士からスマホアプリを提供するIT企業へ転職した木村氏はこのように語っています。

弁護士がインターネットビジネスをするなんてかなり唐突に聞こえるかもしれません。でもそれは今しか挑戦できないことなので、自分の信念に従って決断し、人生の舵を切ることとしました。

検察官(検事)から法律事務所へ転職したケースも

検察官(検事)から法律事務所へ転職するケースもあります。 検察官は「旬が短い」というのがその理由の1つです。 検察官は「独任制の官庁」と呼ばれているように、任官1年目でもすべての権限を持っています。 それが検察官の魅力の1つですが、検察官は15年目頃に管理職になることが多く、たとえ管理職になったとしてもそこまで仕事の幅が広がるわけではありません。 そのような背景から、管理職になるより「法律家としてのキャリアを広げたい」という思いで法律事務所に転職する人もいます。

まとめ

今回は弁護士が転職する理由についてご紹介しました。 ぜひご自身の転職の参考にしてみてください。